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遺産分割協議
1.遺産分割協議
遺言書がない場合や、遺言書の内容とは異なる分配をしたい場合、遺産分割協議をして、誰がどの相続財産をどれだけ取得するのかについて決めることになります。
ただし、遺言書に遺産分割の禁止の定めがあるときや、協議などで遺産分割の禁止を定めたときは、遺産分割協議をすることができません。
(※遺言・相続人等の協議・調停または審判において、相続開始の時から5年を超えない期間、遺産分割の禁止を定めることができます)
この遺産分割協議については、法律上の期間の制限はありませんので、いつでもすることができますが、税務申告などで期限が定められている場合には、その期限内に遺産分割協議をしておく必要がありますので、ご注意下さい。
→ 参考サイト(国税庁):相続税の申告手続
遺産分割協議に参加することができるのは、相続人及びその法定代理人または特別代理人、包括受遺者、相続分の譲受人などです。
これらのうち、一部の者を除外して行われた遺産分割協議は無効となります。
遺産分割協議は、全員一致で決定しなければなりません。
方法としては、相続人全員が1ヶ所に集まって行うだけでなく、電話やメールなど持ち回りの方法で行っても差し支えありません。
協議内容に反対する参加者がいて協議がまとまらないときや、協議を行うことができないときは、家庭裁判所に調停等の申立てをすることになります。
分割の方法として、以下のようなものがあります。
・ 現物分割
「Aは甲土地、Bは乙土地を取得する。」というように、遺産をそのままの形で分割する方法です。
・ 代償分割
「Aは甲土地を取得し、その代わりにAはBに金1億円を支払う。」というように、相続人の一部の者が財産を相続する代わりに、他の相続人に金銭などを与える方法です。
・ 換価分割
遺産を売却し、その売却代金を分配する方法です。
2.遺産分割協議に参加できる人の例
・ 相続人
遺産分割協議は、共同相続人の全員の同意によって成立するため、一部の共同相続人を除いて遺産分割協議を行っても無効とされます。
・ 法定代理人
相続人の中に未成年者や成年被後見人がある場合、その者の親権者や成年後見人が、法定代理人として遺産分割協議に参加することになります。
認知症、知的障害、精神上の障害などの理由で常に判断能力を欠いている状態にある人は、一人で契約など財産上の行為をすることが困難なため、これらの人を保護する必要があります。
この場合、一定の範囲の人が家庭裁判所に後見開始の申立てをし、その決定を受けたときに後見が開始され(成年被後見人)、また成年被後見人を保護するために成年後見人が選任されます。
成年被後見人は、日常生活に関するものを除いて財産に関するすべての法律行為をすることができず、もし財産に関する法律行為を行っても、一定の場合を除き、取り消すことができます。
したがって、これらの法律行為は成年後見人が成年被後見人に代わって行うことになります。
・ 特別代理人
通常、相続人の中に未成年者がある場合には、その親権者が法定代理人として遺産分割協議に参加することになります。
しかし、たとえば父が死亡し、その共同相続人が母と未成年の子である場合、この遺産分割協議において母と子は利害が衝突するため、母は親権者として未成年の子を代理することはできなくなります。
この場合、親権者である母は、未成年の子のために、家庭裁判所に特別代理人の選任の申立てをし、選任された特別代理人が未成年の子のために母との間で遺産分割協議をすることになります。
父が死亡し、その共同相続人が成年被後見人である母と、母の成年後見人に選任されている子(成年後見監督人が選任されていない場合)の場合なども同様です。
なお、成年後見監督人が選任されている場合は、成年後見監督人が母を代理することになるため、特別代理人の選任は必要ありません。
チェックリスト(特別代理人選任)
□ 申立先 → 子の住所地又は成年被後見人の住所地の家庭裁判所 → 参考サイト(裁判所):各地の裁判所 □ 誰が → 親権者、成年後見人又は利害関係人 □ 特別代理人選任申立書(親権者とその子との利益相反の場合) → 参考サイト(裁判所):申立書 記入例 □ 特別代理人選任申立書(被後見人と後見人の利益相反の場合) → 参考サイト(裁判所):申立書 記入例
□ 未成年者又は成年被後見人の戸籍謄本 → 遺産分割協議書案
□ 未成年者又は成年被後見人1人につき収入印紙800円分 → 申立てをする家庭裁判所へ確認してください
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・ 包括受遺者
具体的に特定した部分ではなく、全部、又は一部というように、割合をもって指定した部分の相続財産の遺贈を受けた人のことをいいます。
包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有します(民法第990条)。
・ 相続分の譲受人
法定相続人が、自己の相続分を早急に処分・換価したいような場合に、遺産分割前にその法定相続人から相続分の譲渡を受けた人です。
相続分の譲渡は、相続財産全体に対しての包括的な割合の譲渡であって、特定の相続財産に関する共有持分の譲渡とは異なります。
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