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遺言書の作成

1.遺言を知る


遺言を遺し、遺言をする人(遺言者)の意思を明確にすることは、相続人の間でのトラブルを未然に防ぐことに役立ちます。 

 

遺言は、民法で定められた方式に従って行わなければなりません(民法960条)。遺言者の真意を確保して、遺言書の偽造や変造を防止するためです。 

 

そのため、せっかく遺言を遺しても、法律の要件を欠いてしまったために無効とされてしまい、法的な効果が発生しないという事態になりかねません。

 

遺言を作成する前に、遺言とはどういったものか、どのように作成するのかということを知っておくことが非常に重要といえます。 

 

2.遺言をするためには

 

遺言は、満15歳に達した人であれば、することができます。

 

また、被保佐人・被補助人であっても、単独で有効な遺言をすることができます。成年被後見人は、事理を弁識する能力を一時的に回復している場合に限り、医師2人以上の立ち会いの下で遺言をすることができます。 

 

遺言者は、遺言をするときに遺言能力(一定の判断能力)を有していなければなりません。

遺言は遺言者自身の真意を確保するための制度ですから、代理による遺言は認められません。

また、共同遺言も禁止されており、たとえ夫婦や家族であっても、同一の証書で2人以上が遺言をすることはできません。 

 

一度遺言をした後でも、それを撤回することは自由です。

遺言の撤回は、新たな遺言を作成することによって行います。後の遺言と前の遺言が抵触する場合、その抵触する部分については前の遺言を撤回したものとみなされます。また、前の遺言をすべて撤回することもできます。このほか、遺言書の破棄などによっても撤回が可能です。

 

3.遺言の内容


遺言書に書かれた内容のすべてに法的な効果が生ずるわけではありません。

法律で定められた遺言事項としては、相続人の廃除・相続分の指定・遺産分割の方法の指定や分割の禁止・遺贈・認知・未成年後見人の指定・遺言執行者の指定などがあります。 

 

4.遺言の種類

 

遺言は、普通方式と特別方式に大別されます。特別方式の遺言とは、病気や船舶遭難のため死亡の危急にある場合や、伝染病のため隔離されているような特殊な場合に限り認められるもので、通常、遺言という場合は普通方式のものを指します。

 

普通方式の遺言には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。

 

5.遺言の作成

 

自筆証書遺言は、遺言の内容の全文と日付および氏名を自書し、押印することにより作成します。

 

公正証書遺言の作成には、公証人の関与および証人2人以上の立会いが必要になります。

 

秘密証書遺言は、封印をした遺言書を公証人および証人2人以上の前に提出することにより行います。

 

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